誰も知らない物語
これが、現代に伝わる“竹取物語”だ。
「確かに。このことも事実だ。けれど、後半…これは本当の事実を隠すための事実しか書かれていないのじゃ。」
と、瑠奈が語る。
「それじゃ、本当の事実って?」
晴彦が珍しくちゃんと聞いている。
それくらいこの話は興味深い。
「話の途中にあった庫持の皇子のところじゃ。」
庫持の皇子とは、蓬莱の枝の玉を頼まれた人だ。
「そうか!」
それを聞いたところで健三が叫んだ。
どうやら、何か閃いたらしい。
「庫持の皇子っていうのは、本名の氏名は藤原だ!」
「…瑠奈さんの恋人と一緒の氏名。」
「なるほど!…てか、なんで健三そんなこと知ってんの?」
「趣味。」
健三は得意気に言った。
…そんなことはさておき。
ということは…瑠奈の恋人は庫持の皇子、ということか?
しかし、
「話には続きがあるわ。」
と、再び俺たちに話始めた。
庫持の皇子。
モデルとされてるのが右大臣・藤原不比等(フジワラノフヒト)である。
藤原一族の貴族である。
彼はかぐや姫と結婚したいため出された難題ー蓬莱の枝の玉を探した。
権力を駆使し日本の全てを調べたが探しだすことは出来なかった。
また、噂で中国にあると聞き、中国まで探しにいくも見つけられなかった。
しかし、かぐや姫を諦めることのできなかった彼は、偽物を作った。
高額の報酬を約束して作らせたのだ。
…そして、資料と瓜二つの偽物が完成した。
彼はそれをかぐや姫に献上した。
かぐや姫もまさか本当に見つけたのかと困惑するが…
「藤原殿、製作の報酬はまだですか?」
と、偽物を作った者がタイミング悪く訪ねてきたのだ。
これで全ては水の泡。
彼は大嘘つきと大恥をかき、権力を失った。
そして、彼はこと知れず失脚したのだった。
「その事実は竹取物語にもあったわ。」
優香が瑠奈に言う。
「…では、庫持殿に子供がいたことは知ってしますか?」
と優香に対して聞き返した。
優香は答えられなかった。
そんなこと知るわけもないと俺は思ったが、
「五人の子供がいたと聞いたことがある。だが、五人目は不確定だ。」
又しても健三は軽々答えた。
「健三…お前化け物?」
晴彦が唖然とした目でみた。
「だから、趣味だ。…歴史が好きなんだよ。」
と恥ずかしそうに答えた。
はじめて知った。
健三って歴史好きだったんだ。
「そう、彼には五人の子供がいた。そして、その五人目の方が私の恋人だ。」
俺が健三に呆気を取られていたら瑠奈が再び話を進めた。
藤原不比等には五人の子供がいた。
だが、五人目は詳細不明の人物。
歴史上に名前が残っていないということになる。
一説には隠し子ではないかとされている。
「彼は隠し子ではない。藤原蓬莱という名がちゃんとある。」
瑠奈は熱心に藤原蓬莱について話す。
藤原蓬莱。
藤原不比等の五人目の子供。
「確かに。このことも事実だ。けれど、後半…これは本当の事実を隠すための事実しか書かれていないのじゃ。」
と、瑠奈が語る。
「それじゃ、本当の事実って?」
晴彦が珍しくちゃんと聞いている。
それくらいこの話は興味深い。
「話の途中にあった庫持の皇子のところじゃ。」
庫持の皇子とは、蓬莱の枝の玉を頼まれた人だ。
「そうか!」
それを聞いたところで健三が叫んだ。
どうやら、何か閃いたらしい。
「庫持の皇子っていうのは、本名の氏名は藤原だ!」
「…瑠奈さんの恋人と一緒の氏名。」
「なるほど!…てか、なんで健三そんなこと知ってんの?」
「趣味。」
健三は得意気に言った。
…そんなことはさておき。
ということは…瑠奈の恋人は庫持の皇子、ということか?
しかし、
「話には続きがあるわ。」
と、再び俺たちに話始めた。
庫持の皇子。
モデルとされてるのが右大臣・藤原不比等(フジワラノフヒト)である。
藤原一族の貴族である。
彼はかぐや姫と結婚したいため出された難題ー蓬莱の枝の玉を探した。
権力を駆使し日本の全てを調べたが探しだすことは出来なかった。
また、噂で中国にあると聞き、中国まで探しにいくも見つけられなかった。
しかし、かぐや姫を諦めることのできなかった彼は、偽物を作った。
高額の報酬を約束して作らせたのだ。
…そして、資料と瓜二つの偽物が完成した。
彼はそれをかぐや姫に献上した。
かぐや姫もまさか本当に見つけたのかと困惑するが…
「藤原殿、製作の報酬はまだですか?」
と、偽物を作った者がタイミング悪く訪ねてきたのだ。
これで全ては水の泡。
彼は大嘘つきと大恥をかき、権力を失った。
そして、彼はこと知れず失脚したのだった。
「その事実は竹取物語にもあったわ。」
優香が瑠奈に言う。
「…では、庫持殿に子供がいたことは知ってしますか?」
と優香に対して聞き返した。
優香は答えられなかった。
そんなこと知るわけもないと俺は思ったが、
「五人の子供がいたと聞いたことがある。だが、五人目は不確定だ。」
又しても健三は軽々答えた。
「健三…お前化け物?」
晴彦が唖然とした目でみた。
「だから、趣味だ。…歴史が好きなんだよ。」
と恥ずかしそうに答えた。
はじめて知った。
健三って歴史好きだったんだ。
「そう、彼には五人の子供がいた。そして、その五人目の方が私の恋人だ。」
俺が健三に呆気を取られていたら瑠奈が再び話を進めた。
藤原不比等には五人の子供がいた。
だが、五人目は詳細不明の人物。
歴史上に名前が残っていないということになる。
一説には隠し子ではないかとされている。
「彼は隠し子ではない。藤原蓬莱という名がちゃんとある。」
瑠奈は熱心に藤原蓬莱について話す。
藤原蓬莱。
藤原不比等の五人目の子供。