誰も知らない物語
「まだみんな寝てるの。」
と俺の隣に腰かけた。
優香もさっき起きたばかりなのだろうか、髪が少し乱れていた。
普段はしっかりと整えられたミディアムショートボブだが、今は軽い寝癖がついている。
「そっか。」
非日常的な空間に重かった全てが嘘のように軽くなった。
「本当にいいの?」
「なにが?」
咄嗟の質問に俺は何を聞かれているか分からなかった。
「瑠奈さんのこと。」
「瑠奈?」
記憶を辿るがどうもわからない。
いったい何があった…。
「覚えてないの?」
「…わりー。」
俺は正直に答えた。
わからないものは、わからない。
「もう…昨日、瑠奈さんを泊めるって決めたじゃん。」
と少々呆れた感じに教えてくれた。
そして、その事を聞いて昨日のことが走馬灯のように甦った。
「そうだった…。」
気づいても遅い。
俺は、瑠奈を引き取る役になったんだった。
昨晩。
瑠奈の話を聞き終わると晴彦と美保が、
「それでは親睦を深めましょう!」
とか言って盛り上がったのだ。
そのあと、お酒を飲みながら恋人の蓬莱捜索の計画を立てた。
確か…健三も珍しくお酒を沢山飲んでいた気がする。
日本酒が大好きな健三に飲み相手ができたからだ。
瑠奈が日本酒好きだったのだ。
それで、
「瑠奈ちゃん、どこに泊める?」
って話になって…
健三は彼女がいるからダメ。
晴彦、美保は危険だからダメ。
優香は大学の寮だからダメ。
俺は…アパートに一人暮らし。
…って流れになり、
「んじゃ、守。任せましたー!」
決定したのだった。
確かあのとき既に酔いが回っていて…勢いで承諾した気がする。
「…本当に大丈夫?」
優香が心配そうに聞いてきた。
俺はもう一度よく考えたが、
「仕方がないだろ…俺しか無理なんだから。」
と、まだ寝癖のついた頭を掻きながら答えた。
「では、よろしく頼むぞ。守殿。」
いきなりの登場にビックリした。
いつの間にか起きていた。
「じゃー守、お願いね。私も極力は守の家に行くから。」
心強いお言葉だ。
俺一人ではどうも心細かった。
「守に任せたら、危ない気がするから。」
…なんだ、その一言。
どうも気にかかる一言だったが、頭もあまり冴えない今、言い返せる程の気力はなかった。
程なくして他の三人も目を覚ました。
健三は結構飲んできたようだがその様子を全く残さなかった。
一方の晴彦と美保は予想通りの様子。
どうやら帰りのあちらの運転手は健三に決定的のようだ。
晴彦、また健三にグチグチ言われるだろう。
俺たちはウッドハウスをしっかり掃除し、後にした。
各々の車に乗り、
「じゃー、とりあえず…お互い着いたら連絡な。」
と、健三たちと約束して川原を出発した。
なんだか、慌ただしかったバーベキューだったなと、改めてバックミラーに映る川原を見て思った。
と俺の隣に腰かけた。
優香もさっき起きたばかりなのだろうか、髪が少し乱れていた。
普段はしっかりと整えられたミディアムショートボブだが、今は軽い寝癖がついている。
「そっか。」
非日常的な空間に重かった全てが嘘のように軽くなった。
「本当にいいの?」
「なにが?」
咄嗟の質問に俺は何を聞かれているか分からなかった。
「瑠奈さんのこと。」
「瑠奈?」
記憶を辿るがどうもわからない。
いったい何があった…。
「覚えてないの?」
「…わりー。」
俺は正直に答えた。
わからないものは、わからない。
「もう…昨日、瑠奈さんを泊めるって決めたじゃん。」
と少々呆れた感じに教えてくれた。
そして、その事を聞いて昨日のことが走馬灯のように甦った。
「そうだった…。」
気づいても遅い。
俺は、瑠奈を引き取る役になったんだった。
昨晩。
瑠奈の話を聞き終わると晴彦と美保が、
「それでは親睦を深めましょう!」
とか言って盛り上がったのだ。
そのあと、お酒を飲みながら恋人の蓬莱捜索の計画を立てた。
確か…健三も珍しくお酒を沢山飲んでいた気がする。
日本酒が大好きな健三に飲み相手ができたからだ。
瑠奈が日本酒好きだったのだ。
それで、
「瑠奈ちゃん、どこに泊める?」
って話になって…
健三は彼女がいるからダメ。
晴彦、美保は危険だからダメ。
優香は大学の寮だからダメ。
俺は…アパートに一人暮らし。
…って流れになり、
「んじゃ、守。任せましたー!」
決定したのだった。
確かあのとき既に酔いが回っていて…勢いで承諾した気がする。
「…本当に大丈夫?」
優香が心配そうに聞いてきた。
俺はもう一度よく考えたが、
「仕方がないだろ…俺しか無理なんだから。」
と、まだ寝癖のついた頭を掻きながら答えた。
「では、よろしく頼むぞ。守殿。」
いきなりの登場にビックリした。
いつの間にか起きていた。
「じゃー守、お願いね。私も極力は守の家に行くから。」
心強いお言葉だ。
俺一人ではどうも心細かった。
「守に任せたら、危ない気がするから。」
…なんだ、その一言。
どうも気にかかる一言だったが、頭もあまり冴えない今、言い返せる程の気力はなかった。
程なくして他の三人も目を覚ました。
健三は結構飲んできたようだがその様子を全く残さなかった。
一方の晴彦と美保は予想通りの様子。
どうやら帰りのあちらの運転手は健三に決定的のようだ。
晴彦、また健三にグチグチ言われるだろう。
俺たちはウッドハウスをしっかり掃除し、後にした。
各々の車に乗り、
「じゃー、とりあえず…お互い着いたら連絡な。」
と、健三たちと約束して川原を出発した。
なんだか、慌ただしかったバーベキューだったなと、改めてバックミラーに映る川原を見て思った。