チョコレートトラップ
最終学年の3年に上がる時も

期待していたのに、

結局同じクラスには

なれなかった。


結局、高橋くんに

声すら掛けられず

ここまできてしまった。


このまま何もしないで

サヨナラするのは嫌だ。


だから私は今日、

初めて高橋くんに声を掛けて

チョコを渡すことにしたんだ。


「ガンバレ、私!」


自分自身に向かって

小さくエールを送る。


これを逃したら、

もうチャンスはないんだから。


とその時、隣にいる凛が

私の腕をぐいっと引っ張った。


「高橋くんじゃない?

 そこ歩いてるの」




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