チョコレートトラップ
すっかり濡れてしまった

靴下を脱ぎ、バッグから

替えのものを取り出し身につける。


制服はどうしようもないけど、

これだけでも随分気分が

違ってくる。


席に座ると、

少し大きめのタオルを

スカートの上から掛けた。


このタオルでちょっと

早めに乾いてくれることを願う。


ふうっと息を吐くと、

辺りをぐるりと見渡してみる。


私と目が合う人が

いないところをみると、

どうやら、昨日、

高橋くんの下駄箱に

忍ばせたチョコは

知られていないみたい。


それだけが心配で

そわそわしながら登校してきた

私は、

ようやく心の底から

ホッと胸を撫で下ろす。






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