チョコレートトラップ
その声にしっくりくる、

トレードマークの

ツインテールの髪型。


スッキリとした

ショートカットの私が

しっかり者のように

見られるんだけれど、

実はポワンとしていそうな

凛の方がしっかり者で、

私をリードしてくれているんだ。


「芹菜。

 今日はちゃんと

 忘れずに持ってきた?」


「もちろん!

 本命チョコはこの中に

 ちゃんと入ってるよ」


そう言いながら

私は通学バッグを軽く叩く。


このバッグの中に

私の想いがたっぷり詰まった

チョコが眠っているんだ。


そう思い始めると、

段々と胸の鼓動が

早まっていった。





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