チョコレートトラップ
何度も何度も読み返して

書き上げたラブレター。


私の気持ちが伝わるのかは

もちろんだけど、

誤字脱字がないか

一字一句確認してから

天使が描かれた封筒に

入れたんだ。


天使。


この子が私たちの

キューピットになって欲しいな。


本当はチョコも

手作りしたかったけれど、

両親が呆れるくらい

料理ベタな私は仕方なく

学校帰りに買ったんだ。


例え買ったチョコでも、

私の想いはギッシリ

詰まってることには変わりない。


後は、これを今日、

片想い中の彼に渡すだけ。


「芹菜、お願いだから

 落ち着いて渡すんだよ」


胸のドキドキを隠せずにいる

私に向かって凛が

溜め息混じりに言う。





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