ユアサ先輩とキス・アラモード
「俺はハブとマングースのケンカに興味はないぞ。やりたければ他でやってくれ」
(どっちがハブでどっちがマングース!)
湯浅の冷静な言葉に、真帆と樹里は激しく動揺した。そして真剣に考えた。
(マングースがいい!だって、かわいいもん。蛇はイヤ。執念深い女みたい)
二人は再びニラみ合った。
(あんたが『蛇』よ)
(いいえ、あんたが『蛇』よ!)
二人の背後に蛇が陽炎のように立ち上がった。
「木吉、俺が中林を呼んだのは、蛇とマングースの配役を決めるためではない。決まった事を三人でキッチリ確認するためだ」
「まあ確かに、それはとても重要ですね」
「人の話し盗み聞きしている場合じゃなかったわね」
「終わった話を蒸し返さないでよ!うっとおしい。……それとも、『蛇』的には蒸し返さずにいられないのかしら?」
「蛇じゃない!」
「でもマングースじゃない!」
「じゃあ毒蛇ね。噛まれたら馬鹿になりそう」
「ぬわんですって!あなたこそ毒蛇よ!噛まれたら盗み聞きババァになりそうよ!」
「バカ蛇!」
「盗み聞きババァ!」
「あーうるさい」
湯浅は二人のおでこをつかむと、力強く引き離した。突然の事に、二人とも『ぬおっ!』と叫んで天井を見上げた。傍で見ていた者には、湯浅がモーセに見えた。
「礼儀と静寂を重んじる弓道場で騒ぐとはじつにけしからん。頭を冷やすためにも、学校の周りを十周し走ってこい」
「ええーっ!」
「いやなら神棚の前でスクワット百回だ。心の中で『お騒がせして申し訳ありません』ととなえならがらな」
「ぬぅ……」
真帆と樹里は口をとがらせ足元を見た。そしてすぐキリリとニラみあった。
(この勝負、後日までお預けよ!)
(どっちがハブでどっちがマングース!)
湯浅の冷静な言葉に、真帆と樹里は激しく動揺した。そして真剣に考えた。
(マングースがいい!だって、かわいいもん。蛇はイヤ。執念深い女みたい)
二人は再びニラみ合った。
(あんたが『蛇』よ)
(いいえ、あんたが『蛇』よ!)
二人の背後に蛇が陽炎のように立ち上がった。
「木吉、俺が中林を呼んだのは、蛇とマングースの配役を決めるためではない。決まった事を三人でキッチリ確認するためだ」
「まあ確かに、それはとても重要ですね」
「人の話し盗み聞きしている場合じゃなかったわね」
「終わった話を蒸し返さないでよ!うっとおしい。……それとも、『蛇』的には蒸し返さずにいられないのかしら?」
「蛇じゃない!」
「でもマングースじゃない!」
「じゃあ毒蛇ね。噛まれたら馬鹿になりそう」
「ぬわんですって!あなたこそ毒蛇よ!噛まれたら盗み聞きババァになりそうよ!」
「バカ蛇!」
「盗み聞きババァ!」
「あーうるさい」
湯浅は二人のおでこをつかむと、力強く引き離した。突然の事に、二人とも『ぬおっ!』と叫んで天井を見上げた。傍で見ていた者には、湯浅がモーセに見えた。
「礼儀と静寂を重んじる弓道場で騒ぐとはじつにけしからん。頭を冷やすためにも、学校の周りを十周し走ってこい」
「ええーっ!」
「いやなら神棚の前でスクワット百回だ。心の中で『お騒がせして申し訳ありません』ととなえならがらな」
「ぬぅ……」
真帆と樹里は口をとがらせ足元を見た。そしてすぐキリリとニラみあった。
(この勝負、後日までお預けよ!)