ユアサ先輩とキス・アラモード
真帆は断ろうと心に決め、湯浅を見た。
すると、彼の右手が頬に触れた。
男性らしく大きくて、バスケットボールもつかめそうな長い指。ロードワークで焼けワイルドに見えるが、頬を滑る指先は精密な切り絵ができそうなほど繊細な動きをしている。見つめる瞳はイタリア男性のごとくいたずらっぽくて、セクシーで、真帆の心を防御する鎧を瞬く間に溶かした。
真帆は丸裸にされたような気持ちになった。着ている制服が無意味に思えた。
『もう、逃げられない』と思った。
「いいか、俺の言う事をよーく聞くんだ」
「はい」
「目はつぶるな」
「はい」
「俺とキスした事を、魂に刻み込むんだ」
湯浅は少しかすれた、シブい響きのある声で囁いた。真帆の乙女バロメーターはマックスを振り切り、全身全霊でトリコになった。
彼になら、何をされてもいいと思った。
真帆の瞳の中に映る湯浅の姿が、どんどん大きくなった。彼でいっぱいになった時、唇が緩やかに合わさった。
サラリと渇いた音がして、湯浅の前髪がきれいな二重の目を隠した。見づらいのか、彼は目を細めた。真帆には、もっと深く自分を見られているような気がして恥ずかしくなった。逃げようと唇を放しかけた。
すると、湯浅の左手が真帆の腰を、右手が肩をしっかりとつかみ、唇を強く押し付けた。真帆は身動きが取れなかった。湯浅がやめるまでキスをし続けるしかなかった。
二人はじっと見つめあった。唇を通して伝わってくる体温が温かいのが不思議だった。 たとえ地が真っ二つに割れようと、空が落ちてこようと冷静さを失わないように見える彼は、唇までクールな気がしていた。人間味を感じない気がしていた。
すると、彼の右手が頬に触れた。
男性らしく大きくて、バスケットボールもつかめそうな長い指。ロードワークで焼けワイルドに見えるが、頬を滑る指先は精密な切り絵ができそうなほど繊細な動きをしている。見つめる瞳はイタリア男性のごとくいたずらっぽくて、セクシーで、真帆の心を防御する鎧を瞬く間に溶かした。
真帆は丸裸にされたような気持ちになった。着ている制服が無意味に思えた。
『もう、逃げられない』と思った。
「いいか、俺の言う事をよーく聞くんだ」
「はい」
「目はつぶるな」
「はい」
「俺とキスした事を、魂に刻み込むんだ」
湯浅は少しかすれた、シブい響きのある声で囁いた。真帆の乙女バロメーターはマックスを振り切り、全身全霊でトリコになった。
彼になら、何をされてもいいと思った。
真帆の瞳の中に映る湯浅の姿が、どんどん大きくなった。彼でいっぱいになった時、唇が緩やかに合わさった。
サラリと渇いた音がして、湯浅の前髪がきれいな二重の目を隠した。見づらいのか、彼は目を細めた。真帆には、もっと深く自分を見られているような気がして恥ずかしくなった。逃げようと唇を放しかけた。
すると、湯浅の左手が真帆の腰を、右手が肩をしっかりとつかみ、唇を強く押し付けた。真帆は身動きが取れなかった。湯浅がやめるまでキスをし続けるしかなかった。
二人はじっと見つめあった。唇を通して伝わってくる体温が温かいのが不思議だった。 たとえ地が真っ二つに割れようと、空が落ちてこようと冷静さを失わないように見える彼は、唇までクールな気がしていた。人間味を感じない気がしていた。