ユアサ先輩とキス・アラモード
「あのー、部長。小学生の女の子に、高校生の私が負けるとは思えないんですけど」
「チッ、チッ、チッ。多田、わかっていないな。穂乃花は全てにおいてパーフェクトなガールなんだ。見た目よし、性格よし、気配りよし。ヤマトナデシコ中のヤマトナデシコなんだ」
「だったら私は、ヤマトナデシコ中のヤマトナデシコ中の、ヤマトナデシコです!数々の修羅場を潜り抜け、美貌も頭脳も磨きまくり、ここにいるんです。つまり、ウルトラパーフェクトなガールなんです!」
「だったら穂乃花は、ヤマトナデシコ中のヤマトナデシコ中のヤマトナデシコ中の……あれ、何かい言ったっけ?とにかく、ウルトラスペシャル・パーフェクトなガールなんだ。何人たりとも穂乃花を超える事は出来ん!美貌だろうか脂肪だろうがゴボウだろうが、磨いても叩いても引っこ抜いても、勝てないものは勝てん!」
「そんな事ありません!」
「いいやある!」
「ありませんったら、ありません!」
「あるったら、ある。絶対ある!」
「だったら妹さんと対決させてくださいよ。あたしがどれだけすごいか照明してみせますから」
「いいだろう。受けて立とうじゃないか。もし多田が負けたら二度と穂乃花をグジョグジョさせないからな!」
「私が勝ったら、私をヤマトナデシコ中のヤマトナデシコ中のヤマトナデシコとして扱ってください。もちろんグジョグジョしないでください!」
(グジョグジョじゃなくて、侮辱でしょーがっ!)
真帆は心の中で大声でッツコんだ。二人の激情をあおりそうで、口にはできなかった。
「良いだろう。日時は今週の土曜日、部活が終わったらだ。覚悟をとめて待っていろ」
「わかりました。覚悟をとめて待っています」
(だから、覚悟を『決めて』待っていろでしょ!なんで二人とも気づかないの?)


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