恋に恋する乙女達へ
「、言われなくとも。…片付け任せたから!」

逃げたようで嫌だが、この状態で一緒にいるのはもっと嫌だ。
昌は足早にいなくなった。


「グッジョブ!変態王子様」
クスクス笑いながら教室に入ってきたのは美紀。

「なんですか、先輩」
心底嫌そうな顔で、美紀を見る。

「見てたよー。一部始終」
どうせなら、傷口舐めてほしかったなー

からかうように続ける美紀。

「見てたなら、助けてあげてくださいよ」
「私が見てたのは君だよー」
ふふふと、意味ありげに笑う。
恭の顔から、すっと赤みが引いた。

「いくら心配だからって、窓の外から覗いてるのはどうかと思うよー」
怖ーい

キャハハと、楽しげに笑いつづける。
< 29 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop