恋に恋する乙女達へ

「私、それ反対。寮長いないとつまらない」

化粧班の一人が言う。
今、ギャル系メイクの練習なのかやけにけばけばしい。
乙女会らしからぬ出で立ちだ。

「なら、寮長の恋愛、成就させなきゃいいんじゃないんですか?」
今度は、一年生の子。
少し舌足らずな声でまくし立てる。

「それは、ないでしょ。この会の目的にそぐわないわ。それより…」「でも…」「なら…」「だめよ、こうすれば…」


思いつく限りを並べあげる乙女達。



「そもそも、寮長はどう思ってるの?」

< 41 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop