恋に恋する乙女達へ
「私、それ反対。寮長いないとつまらない」
化粧班の一人が言う。
今、ギャル系メイクの練習なのかやけにけばけばしい。
乙女会らしからぬ出で立ちだ。
「なら、寮長の恋愛、成就させなきゃいいんじゃないんですか?」
今度は、一年生の子。
少し舌足らずな声でまくし立てる。
「それは、ないでしょ。この会の目的にそぐわないわ。それより…」「でも…」「なら…」「だめよ、こうすれば…」
思いつく限りを並べあげる乙女達。
「そもそも、寮長はどう思ってるの?」