その顔に、そそられる 《密フェチ》
いつだったか一度、抱き合った後に
こらえ切れなくなった様子で
宗一が私を好きだと言った。



でも私は「宗一には興味ない」とそっけなく言った。



あの時の宗一の顔、
情けなくてカッコ悪くて思わず欲情した。


(欲しい…)


そしていつもより激しく抱き合った。



この間も泣きそうな顔をした宗一に
「会いたくて仕方なかった」と抱き締められた。



「私は好きじゃない」。



傷ついた表情を必死に隠そうとしているのがたまらなくて、
首に腕を伸ばし私のほうに引き寄せた。


抱かれながら思う。


私たちの関係はもう長くは続かないだろう。


宗一は私を愛してしまったから。







――私をそそる顔。

もう抱き合えないなら、
今日はいっそいつもよりもっと激しく求めて、
私から全部捨ててしまおう。





「さよなら」心の中でつぶやいた。



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