BEST FRIEND♪
嫉妬か憧れか ~6月~ 美衣編
ドカッ!
うん、翔の頭は殴るといい音がする。私は、握ったままの右の拳を軽くさすった。
「いったー!!何すんだよ!?」
翔が落としたバスケットボールを拾いながら、私を睨んでくる。
「べーつにー。ただ苛々してただけー」私は翔を見下ろして。「カノジョできてからーアンタ調子乗っててウザいんだもん」
あかねが腹を抱えて大笑いした。
「あははは…十分動機あるじゃんか」
素直になりなよ、あかねはそう言ってドリブルしながら去っていく。
…私、素直だよ…?
「おっと、そろそろ愛がくるかな」
体育館の時計を見て、翔は立ち上がった。