BEST FRIEND♪
「あれ、翔じゃん。何してんの?」美衣は、にこやかだった。「愛ちゃん、待ってるの?」
美衣の、作ったみたいな明るさに、胸が痛んだ。何でかはわからなかったけど。
「否、えーっと、その、お前、今何してんだ?」
美衣は、目を丸くして、
「シュート練」
小声で言った。
「へーぇ、部長でも苦手はあんのか」
美衣は、女バスのキャプテンだ。からかうと、彼女の平手がとんできた。
「痛っ!」
美衣は、ニィッと笑い、
「どうせ暇なら、手伝ってよ。アンタ、シュート得意でしょ?」
はなからそのつもりだった。俺は、大きく頷いて、ボールを出した。