BEST FRIEND♪




 そのとき、愛が廊下の向こうから現れた。

「翔君…?」



 愛が、強張った顔で。


「あ、ごめんね、上原さん。じゃ、翔。もう怪我のこと、気にしなくていいから。二人で仲良くね」

 何でかな。一瞬、美衣の顔がかげった気がする。

「翔、愛ちゃんを泣かせたら私、承知しないからね」


 俺は、戸惑った。

 それくらい、珍しかったんだ。美衣が俺の背中を押してくれるなんてさ。


「翔君。やっぱり、翔君、美衣さんのこと…」

「ンなわけ、ねぇだろ。アイツは俺の幼馴染だ。恋人でも好きな奴でもねぇ」






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