BEST FRIEND♪



 上原さんに呼ばれ、我に返る。



「ね、一緒にマフラー、作らない?」



 私は声をかけた。



 毒になるかもしれないお菓子をあげるよりは、得意なマフラーをあげたほうが、絶対に喜んでもらえる気がするし。




「え、いいんですか!?私も、今声をかけようとしてたんです!」


               ❦


 その、約束の日。


「上原さんの家って、かわいいね」



 私、びっくりしちゃった。



 だって、人形の家みたいだったから。



「父が建てたんです」



 上原さんの目は、輝いていた。
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