溶ける彼女
女性は彼女と同じ顔だった。
幾ら親子でもここまで似るものか、と思うほど似ていた。
多分......いや、確実に母親だろう。
「貴方ね、例のお友達。こんな変な娘と仲良くしてくれて嬉しいわぁ」
母親は彼女の体質を信じているのだろうか。
いや、信じているから彼女の部屋が涼しくされているのだろう。
彼はいいお母さんだな、と思った。
「溶けるの信じてくれたの君初めてだから、家族に話しちゃった」
彼女はえへへ、と笑った。
彼女の母親はキッチンから出てくると、彼女にお茶の乗ったトレイを渡しながら彼に視線を向けた。