溶ける彼女
「メロン、好きなの?」
女の子はこくん、と頷いてかき氷を口に含んだ。
「最近暑いからかき氷美味しいよね」
また女の子がこくん、と頷く。
彼女は諦めずに話しかけ続ける彼と頑なに話さない女の子を、微笑みながら眺めていた。
「君どこの子?」
彼の問いに、女の子は後ろを指差した。
後ろにはかき氷屋さんの壁があるだけである。
「あ、お婆さんの――」
「あたしの孫に何か用かい?」
「わっ、びっくりしたぁ!」