溶ける彼女

「じゃあ始めようか」
「わ、お互い多いねぇ」

彼女のほうが多いように感じた。
表紙には”柏木高等学校”と書かれている。
彼の通う”西高等学校”の隣の学校だ。

西よりレベルが高いので、少し離れたところから通う人が結構いる。

「柏木? 頭いいんだね」
「いやいやぁ、もうギリギリよ」

――きっついきっつい。
彼女は宿題の束でテーブルをバシバシ叩きながら、豪快に笑った。

頭が良くて黙ってれば可愛いのに、こういう飾らないところが好きだ、と彼は思った。

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