クランベールに行ってきます
部屋に戻り、汚れた服を着替えて、ホッとひと息ついた途端、なんだか小腹が空いてきた。朝、厨房でもらったお菓子を食べようと捜してみたが見つからない。
確かに部屋に持って帰ったと思ったが、どこかに置き忘れたか、あるいはラクロット氏に見つかって処分されてしまったのかもしれない。
置き忘れたとしたら、あの後行ったロイドの研究室のような気もするが、だとしたら甘いものが嫌いだというロイドは、それこそ処分してしまっているだろう。
ガッカリしたら、よけいにお腹が空いてきたが、仕方がないので夕食まで我慢する事にした。
結衣はソファに座り、肩に留まっていた小鳥を手の平に乗せて頭を撫でた。
「ロイド、さっきはありがとう」
それは、両方のロイドに向けた礼の言葉だった。
小鳥は誇らしげにピッと返事をした。結衣にはそんな風に見えて、思わず目を細めた。