君が好き
1章 片想い

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何時からだろう、気が付けば私は君を目で追うようになっていた。





「ねぇねぇ、水月!!」

一番後ろの席に座る彼、イヤホンを耳に付けブックカバーを掛けた本を真剣に読んでいる。そんな彼ののほっぺをツンツンとつっつく。

「あぁ?」

ちょっと不機嫌そうに返事をし、耳のイヤホンを片方外す。

「ねーっ、ホームルーム終わったら図書室に行こう!!」

もちろん「やだー」と言う答えがかえってくるだろう・・・・・・なんて内心思う私。

「えー、なんでー?」

なのに、今日の彼はそう訪ねてきた。

「え、っと・・・・・・」

二人きりになりたいから、なんてことが言えるわけない。

「ほ、本が見たくて・・・・・・」

声が震えた。
だけど彼は・・・・・・

「いいよ、行こう」

そう微笑んだ。
いつもの優しい笑顔で。
私の大好きな笑顔で。
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