[修正版]草食系彼氏
プロローグ

 窓から差し込む光に照らされて、私の頬は赤くなる。いつもは騒がしい教室に今、私と彼以外に人はいない。

 大丈夫、大丈夫。何度も自分に言い聞かせる。今言わなきゃ、せっかく呼び出したのが無駄になってしまうから。胸の鼓動を押さえながら、私は一息に言った。

「あの、あの……っ、付き合ってください!」
「うん」
「えっ……!ほ、本当に?」
「え?あっ、んーと……はい」

 曖昧な返事に戸惑いながらも、顔はにやけて、心の底から感情が溢れる。

 嬉しい……!



 草食系な彼氏と、心配性な彼女。不安だらけの二人の物語は、このとき、始まった――

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