[修正版]草食系彼氏
不安だらけな恋
それを聞いたのは、ついこの前のことだった。私はそれが、部活仲間から聞いた噂が気掛かりで、授業中だというのに集中できない。陽菜は、気にするなって言うけれど、そんなことは無理だった。気にしまい、気にしまいと思うほどに、不安が押し寄せてくる。
ねえ、来季……。
あの日、私が休憩中に雑談していたときだ。部活仲間の一人、真希がにやにやと笑いながら私にした質問がきっかけだった。
「ねえ、紫苑って来季ともうデートしたの?」
「うっ!実は、まだしてないんだよね……」
正確には、できない。二人きりで遊びに行くなんて、今はまだできそうになかった。
「ふぅん……そんなんじゃ、盗られちゃうかもよ?」
「え?」
この後の言葉に、私は言葉を失った。