[修正版]草食系彼氏
「あたし聞いたんだけど、A組の紗理奈、来季のこと好きらしいよ」
私は一瞬、何の話をしているのかわからなかった。今まで、来季が他の女の子を好きになることは考えても、他の女の子が来季を好きになるなんて、思いついたこともなかったのだ。
「えっ、それって……」
「はい、休憩終わり!ほらちゃっちゃと続き始めてー」
先輩の声に促されて、私達はまた練習に戻る。それでも私の曇りはとれず、なかなか集中できなかった。
そして今も、授業に全く集中できていない。板書さえもする気になれず、後で陽菜を頼るしかないな、とぼんやり思っていた。