[修正版]草食系彼氏
助っ人
変な幼なじみ
今更ながら、きっと来季は私がされていることに気が付いていないだろうと思う。鈍いから。もはや致命的だなと私は思った。
でも逆に、もしそのことを知られたら……変わってしまうのかもしれない。態度とか、想いとかが。だから、自分からは言わないことにした。
「来季、おはよう」
「おー」
あの日からも来季は相変わらずで、特に大きな変化は無い。だから私も、前と同じように接している。こうして普通に話せることが幸せだってことを、知ったから。
しかし、何日か後の放課後、陽菜と別れて部室に入ったら、あることに気付いた。気が付いてしまった。
シューズに、切り込みが入れられていることに。
つま先部分と、紐が切られていた。紐が結べなくなっているのだから、履くこともできない。