[修正版]草食系彼氏
「とりあえず泣くなよ……紗理奈か?」
私はさっきの高よりずっと驚いて、思わず彼の顔を見た。絶対に笑われると思っていたのに。
「紗理奈に泣かされたんだろ」
私が何も言わないでいると、今度は私の横に座り込んだ。
「……それ、たぶん半分は俺のせい。だから……」
高は小さく、でもはっきりと力強く言った。
「俺が何とかする。お前はもっと、俺に頼れ」
えっ?私は耳を疑うどころか、五感全てに疑惑を持ち始めた。今私の横にいるのは、本当に高なのだろうか?こんなに優しい高は、初めて見た。呆然とする私を見て、高は慌てて立ち上がった。
「つ、罪滅ぼしみたいなもん!じゃあな!」
早口でそう言うと、顔を私より真っ赤にして出て行った。
残された私は、しばらくその場を動けなかった。