[修正版]草食系彼氏

 その日の部活後、玄関に来季を見つけた私は、急いで彼のもとに向かった。
「来季っ」
 来季は何も変わらず、私のほうに振り向いてくれる。私は少しほっとして、来季の隣に近寄った。この時間に話すのは久しぶりで、何だか嬉しい。

「部活終わったの?今日は早いね」
 すると来季は首を振って言った。

「今日は部活休み」

 えっ?じゃあどうして……もしかして。

「待っててくれたの?」
 来季は頷く代わりに、照れたように笑った。その表情がかわいくて、待っててくれたのが嬉しくて、胸が高鳴る。

「もう、風邪引くよ」
「大丈夫」
 そう言いつつも彼の手は冷え切っていて、私はそれを愛おしそうに両手で包み込んだ。

「何かあった?」
 いつも以上に優しい声が、私の心に染みていく。心配してくれているの?

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