[修正版]草食系彼氏
月日が経つにつれ、少しだけ、不満もでてきてしまった。もちろん、来季が嫌いだとかそんなことは絶対に有り得ない。
まず一つ目は、最初に言ったように、名前を呼んでくれないことだ。そんなこと照れてても仕方ないじゃない、なんて思ってしまう。
二つ目は表現力が少ないところで、一応彼氏と彼女なのに。とりあえず、私にとっては。
それなのに、まだ、好きと言われたことがない。そういう素振りを見せてくれたことも、一度もなかった。
わかっているつもりだったのだけど、それは本当につもりだったようだ。
でも告白したのは私からだから、仕方ないって諦めている。そこも含めて来季だから、来季は特別だからって、自分に言い聞かせて。
登校完了時刻を知らせるチャイムが鳴って、廊下にいた生徒達が次々と教室に入ってきた。
「じゃあ戻るね」
止まない喋り声とざわめきの中、私も急いで自席に戻った。