[修正版]草食系彼氏
「ひ、陽菜、おはようっ!」
次の日の朝、私は思い切って陽菜に話しかけてみた。本当はとても怖くて、とても不安だった。しかし、これだけ長い間口をきかないのは、それ以上に寂しいことだったのだ。話したいことも、相談したいことも、山積みだった。
「……」
けれど陽菜は、何も言わずに通り過ぎていく。私は余計に辛くなるばかりで、虚しくて、フラフラと自席に戻った。立っていても陽菜がいないなら、したいことなんてない。
そのとき、机の上の一枚の紙切れが目に入った。近くで見ると、それはどうやら手紙のようだった。
「しおんへ
高としおんのこと、らいきは知らないみたいだけど、うわさってホントなの?」
女子らしい丸文字を見て陽菜からだとすぐにわかった。私はメモ帳から一枚とって、すぐに返事を書き始める。