[修正版]草食系彼氏

「高、宿題やってきた?」
「は?忘れたに決まってるだろ」

 開き直る高に、だめじゃん、と笑う。

 今日で、来季と別れてから一週間が経った。来季とは一度も話していない代わりに、高と話す数はどんどん増えていく。

「てことで、頼む。見せてください」
「仕方ないなあ、もう」

 プリントを渡してから、ちらりと後ろを見る。来季はいつもどおり席で読書していた。

 ところで、休み時間はいつも、と言っても過言ではないほど、私と高はよく話していた。自分でも、周りに時々冷やかされるような、いわゆる仲良しカップルになったと思う。休み時間や放課後のあの時間も高と話して、時々は帰りも一緒に帰って、もう、いるのが当たり前のようになってきた。

 嫌がらせもないし、普通に勉強して、普通に友達と話して、普通に部活して、普通に楽しい毎日を過ごしていた。

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