[修正版]草食系彼氏
次の時間の準備をしていたら、優奈がにやにやと話しかけてきた。
「紫苑、最近ずっと高と一緒だよねえ?」
「うん」
「うん、って……否定しないんだ?珍しい」
そうかな、と私は苦笑した。隠す理由もないし、付き合っているのは本当だから何も言うことはないはずだ。
後でよく考えてみると、この頃の自分はやはり少しおかしかった。自分でも気付かない内に、自暴自棄になっていたのかもしれない。
「高、シャー芯ある?三の方なんだけど」
「わり、五しかねーや」
けれどそんなことには気付かないまま、私はひたすら高と過ごした。まるで、これが自分の使命とでも言わんばかりに。