[修正版]草食系彼氏

 そしてその日の昼休み、とうとう言われてしまった。

「紫苑」
「なに?高」

 高はわざとらしく目線をそらして、ぶっきらぼうに言った。

「日曜日とか、暇?」

 生まれて初めての、デートをすることになった。

 その日の昼休み、私は早速陽菜に報告した。あの日、高とのことは陽菜にも話すねと約束したから、というより一人で黙っているなんてできなかったのだ。

「陽菜、陽菜っ!どうしよ、デート誘われちゃった!」
「えっまじで!?……いやあ、やっと来季も彼氏らしく……あっ」

 陽菜のにやけ顔が、急に焦り始める。

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