泣き顔にキス
◇流れと本当
―――――――……
――――――……
「別れてほしいんです」
彼に切り出されたのは夕方。
話があると言った彼について行った、学内でも人気の少ない裏庭でのことだった。
まさか昨夜の別れが本当のお別れになるなんて。
…きっと、拒んでばかりのあたしにさすがの彼も嫌気がさしたんだろうな。
「わかった」
あたしには納得する以外の選択肢はない。
ここで彼の言葉を受け入れないなんて、そんな嫌な女になりたくないから。