泣き顔にキス
ねぇ、レンくん。
昨日で付き合って1週間だったよ?
何回もチャンスはあった――あたしも「いいよ」って言いかけたのに。
「…どうして、いつも止めてたの?」
ずっと疑問だった。
あのままHしちゃえばそれで終わりだったはず。
彼から見たら、何て淡々と聞いてくるんだろうと思うかもしれない。
「できなかった」
彼は少し困ったような苦笑いを浮かべた。
そして、さらに言った。
「アスカさんが好きだから」
その瞬間、あたしと彼の間に風が吹く。