泣き顔にキス


―――――――…………
――――――………

「美味しいっ」

「やっぱりここのラーメンは最高っすねー!」



来たのは2人とも大好きなラーメン屋。

もう少しおしゃれなとこに行けばいいものを、あたしも彼もそういうお店よりはもっぱらラーメン屋を選ぶ。



「アスカさん、この後カラオケ行きません?」

「うん、いいよ」

「俺の美声を聞かせてあげますよー」

「それカラオケ行くたびに言ってる気がする」



大好きなラーメンを食べればテンションもあがる。

学生なんて単純だ。
というかあたし達が、か。

明日も9時から授業があるのに、それも忘れて2人で4時間がっつり歌った。


やっぱり思うのは、美声なんて聞いたことないっていうこと。

…今は思うだけに留めておくけどね。


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