月と夕焼け
「うわっ、ビチョビチョ過ぎるだろ!!」

「お前もこうなる」

「ごめん、無理だ。食事会や大きなパーティが控えてるんだ。風邪を引くわけにはいかないから」

「西城家は大変だな」

「こいつの場合、昔からだろ」

「そうだな」


さすが幼稚園からずっと一緒のメンバー。
俺がハメを外せないのも理解してくれている。


「窮屈で仕方ないよ」

「本当に思ってんの?」

「一応な」


水遊びはそこで終わって、俺たちは教室に戻る。
世間体をいやに気にする教頭に見つかってこっぴどく叱られた。


「立花が悪いな」

「俺も完ぺきに立花が悪いと思う」

「俺も」

「何でだよ!!」


友だちと一緒にいるのは楽しい。
そこには「自分」というものがあるから。


「教頭先生、立花くんが皆が嫌がるのを無理矢理…」

「そうなのか立花!!」

「いやいやいや…」


立花の親は、俺の父さんの右腕と言われるくらい良くできる。

俺は親の位とか関係なく、立花が好きだ。


ちょっと教頭をからかった後に、俺たちは教室に戻った。
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