月と夕焼け
アスミが欲しいものがあると、この街で一番大きなデパートに向かった。
「佳奈には服欲しい~とか、あれ食べた~いっていう欲はないの?」
「それって欲?」
「そう。まぁ、あんたの場合あのお坊ちゃま君が欲しいんだもんね」
「それは…」
「なに顔赤くしてんの」
呆れた顔をしたアスミにおでこを叩かれた。
ペシッという音に何人かの人が振り返る。
「も~、恥ずかしいじゃん」
「はいはい。ごめんね」
「…遥佳様は、特定の人は好きにならないよ」
「え?」
「遥佳様の中では男も女も、皆が平等なの」
「そんなの、非現実すぎる…」
「遥佳様はそれを望んでるから」
アスミがため息をつく。
私は逃げるように、服屋さんに入って話しを変える。
結局その日、私たちの中で遥佳様が話題になることはなかった。
「アスミは彼氏、どうなの?彼氏さん、めっちゃ優しいって嬉しそうに言ってたじゃん」
「なんか、何もかもが普通なんだよね」
「普通…?」
「まだ2ヵ月しか付き合ってないのに、すでにマンネリ化」
「夫婦みたいで良いと思うけど?」
「佳奈には服欲しい~とか、あれ食べた~いっていう欲はないの?」
「それって欲?」
「そう。まぁ、あんたの場合あのお坊ちゃま君が欲しいんだもんね」
「それは…」
「なに顔赤くしてんの」
呆れた顔をしたアスミにおでこを叩かれた。
ペシッという音に何人かの人が振り返る。
「も~、恥ずかしいじゃん」
「はいはい。ごめんね」
「…遥佳様は、特定の人は好きにならないよ」
「え?」
「遥佳様の中では男も女も、皆が平等なの」
「そんなの、非現実すぎる…」
「遥佳様はそれを望んでるから」
アスミがため息をつく。
私は逃げるように、服屋さんに入って話しを変える。
結局その日、私たちの中で遥佳様が話題になることはなかった。
「アスミは彼氏、どうなの?彼氏さん、めっちゃ優しいって嬉しそうに言ってたじゃん」
「なんか、何もかもが普通なんだよね」
「普通…?」
「まだ2ヵ月しか付き合ってないのに、すでにマンネリ化」
「夫婦みたいで良いと思うけど?」