月と夕焼け
「最近、中々時間が合わないなぁ」

「仕方ないよ。今度皆で一緒にご飯でも食べまようって、遥佳くんが」

「西城さんとも久しぶりに話したいしな」


ただ、さっきまで純くんの話しをしていたせいか少しだけ後ろめたい。

ただ、そのせいで私の中の「純くん」がまた一つ大きくなってしまった。


「パパ?」

「ん、なんだ?」

「私は、遥佳くんの幸せを一番に願ってるから」

「…どういう意味だ?」

「そのまま。遥佳くんが幸せになって欲しいの」


それは、なんとなく言った一言だったけど、それは、未来を予測した一言でもあった。


「美乃梨と遥佳くんが2人で幸せになれば良いんだよ」


パパは色々考えたあと、こう言った。

ねぇ、パパ…
ごめんね?

私、純くんが大好き。
ものすごく会いたいんだよ。


「なるよ。なるって決めたから」

「そうか」

「うん」


パパが私の頭をポンポンと撫でる。

私は、少しだけ遥佳くんの「恋ができるかな?」という言葉を思い出しながら純くんの笑顔を思い出していた。
< 28 / 72 >

この作品をシェア

pagetop