御曹司の秘書さんの日常◆
社長の近くまで来ると、
第一秘書の児島さんが社長の後ろに付き添っているのがわかる。
「児島さん。」
回り込むように近づいて小声で話しかける。
「市川君。昴君はどうした?」
「昴様は休憩のため、テラスに…それを伝えようと思いまして。」
一瞬にして、児島の顔が曇る。
すぐに、社長の左隣に控えていた第二秘書の加藤さんに
あとは頼む。といって武を連れてこの場から離れる。
加藤さんは、ブルーのドレスで上品な雰囲気が
社長に見劣りしないぐらい美しかった。
社長も、こういうパーティでは
第一秘書の児島さんを置いて加藤さんをつれたりする。
社長は一瞬、児島と武に目をやるが
児島が軽く会釈をし、武もそれに習う。
社長は、軽くうなづいてから、どこぞの社長連中と話を始めた。
そばでは加藤さんがにこりと微笑んでいる。
そんな二人を横目に、児島は武を連れ出す。
「おいおい。
昴君はドコのテラスだ?」
「え?ココの奥のだと思いますけど…」
「市川~~~~。」
はぁぁぁ。と児島はため息をつく。
なんだ?