御曹司の秘書さんの日常◆
「昴君。さっそく遊ばないでくれ。
これは、君のお披露目のパーティなんだから。」
「児島さん。
息抜きですよ。息抜きー。固いこと言わないでよ」
昴は、テラスの手すりにもたれかかる。
呆然と武は児島と昴のやり取りを見つめた。
「市川。昴君はこういうやつだから、
くれぐれも、パーティの時は目を離さないでくれ。
言い忘れてた。すまなかった。」
児島はやれやれと、ため息をつきながら武に謝った。
「いえ。お手間をかけさせて申し訳ございません。
以後、気を付けます」
ふかぶかと児島に頭を下げる。
「児島さん。兄貴の世話だけで大変なのに、
俺の世話まで気を遣ったら、
いい加減、ハゲますよ~」
「あはは。その時は、スキンヘッドにするさ。」
そういって、児島はテラスを後にした。
残された武と昴。
ちょっと気まずい中最初に口を開いたのは昴だった。