御曹司の秘書さんの日常◆
ベッドの上
「…武が、仕事で疲れるっていうの初めて聞いたわ。」
ナミが楽しそうに笑った。
ウエーブのかかった髪が鎖骨のあたりで揺れる。
武は、ベッドから体を起こし
まだ熱がさめやらないナミの瞳を見つめる。
「…まぁな…」
武は、ベッドサイドに置いてあった煙草を一つとり出す。
すかさずナミがライターで火をつける。
大きく煙を一つ吐いて、ナミにキスする。
「やだぁ。煙草の味。」
「いやか?」
「まぁね。」
武はもう一度だけ煙草を吸ってから、
灰皿にまだ長い煙草を押しつけた。
細い煙だけが灰皿に漂う。
「今度の上司さんは、煙草大丈夫なの?」
「さぁ?
でも、未成年だから
一応、目の前では俺は吸わないよ」
「ふぅん。」
興味なさそうに
ナミはベッドの下に落ちているシャツを拾って羽織る。
「何か食べる?
まだ、出勤まで時間あるでしょ?」
「あぁ。」