御曹司の秘書さんの日常◆

ふと、武の手が止まる。

社内報の
確認要項だ。


「昴様。社内報にて、新常務の紹介をするそうですが」

「好きにさせたら良いじゃないか?」

あー、仕事モードに入ったな。

武は、改めて身を引き締める。

「いえ、公式のプロフィールが極秘になってますので、
 紹介文の経歴などいかがなさいますか?」

昴の公式のプロフィールや履歴書などというのは
なぜか極秘扱いになっていた。

「---あぁ。
 じゃ、書かなくてもいい。
 その代わり、意気込みや経営方針などを書いたら良いんじゃないか?」

「かしこまりました。」

なぜ極秘なのか武は一瞬気になったが
詮索する気は無いので、
あっさり引き下がった。

ドコの高校を出てようが、
もしくは中卒でも、
いま、目の前にいる昴が
武の上司であることには代わりが無い。



「ちなみに、市川はドコの大学だったんだ?」

「あぁ、私はーーーーー」
武は、某有名大学の名を上げた。

「へぇ。それで、28歳にして役職秘書?
 エリートだな。」

褒めてるのか、興味ないのか
よくわからない無表情で昴は言った。


「はぁ。昴様は?」

別にドコでも良いが、
とりあえず言葉を返す。

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