御曹司の秘書さんの日常◆
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「なぁ。武、あの子なかなかかわいいなー」
「…昴様。
社内で女性を物色しないで下さい。」
「えー。なに武はオフィスラブ嫌いか?」
「…そういう問題では…」
どうでもいい会話だな。
と、武は心の中で舌打ちをした。
武は、上司からの辞令の後すぐに
今日から上司になる花京院 昴と対面した。
ーーー
常務室。
すりガラスの扉を軽くノックして中へ入る。
「失礼します。本日より秘書を務めます
市川武(いちかわ たけし)と申します・・・」
頭を上げた武は一瞬言葉につまる。
明るいふわりとした髪の毛。
しっかりとしたグレーの瞳に
バランスの取れた体つき。
身にまとう華やかなオーラは
若いといっても、
さすが花京院の御曹司。といったところだ。
「どうそ。」
18歳の御曹司は
優雅に武に振り返り、
座るように促す。
白を基調にしたシンプルな内装に
中には奥と手前にテーブルが二つ。
そして、手前に来客用のソファーがあった。