御曹司の秘書さんの日常◆
「市川。午後の予定は?」
「…会議が15時から入っております。」
「じゃ、ちょっと外に出よう」
「…行ってらっしゃいませ。」
ちょうど、今急ぎの仕事はない。
ゆっくり休憩を取っていただいても大丈夫だ。
武は、軽く頭を下げる。
「はぁ~?武も行こうぜ。
俺が仕事ないってことは、お前も仕事ないだろ?」
失礼な。
部下にはいろいろな雑用という仕事がある。
「…しかしながら…」
武は、部屋の右隅にある自分の机に目をやる。
未分類の書類たちが目に入る。
昴は武の机の書類を見ると
内線に手を伸ばす。
「もしもし。ーーーん。俺だけど。
手伝ってほしい仕事があるから来てもらえる?」
そのまま受話器を置く。
武は、眉間にしわを寄せた。
「…昴様?誰にーー」
コンコン
「失礼します。」