御曹司の秘書さんの日常◆
外は5月も中盤だというのに
生ぬるい空気が体を包む。
会社をでて
五分ほど歩いたら、
どうやら目的地に着いたらしい。
外見は少し年季の入った感じの喫茶店。
古めかしい赤い木の扉に
openの白い看板がかかっている。
店の前に出された
看板には、
コーヒー
紅茶
ケーキ
しかありません。
と綺麗な字で書かれていた。
「…昴様…ここは?」
「まー、いいから。」
きぃーーっと少しドアがきしむ。
「いらっしゃいませ。」
なかから、
店員さんの声が響いた。