御曹司の秘書さんの日常◆

「ははっーー。覚えていたのか。」

武がメガネをはずしてカウンターに置く。
正樹はニヤっとわらう。

「武。何?」

その様子を昴は不思議そうに眺めた。

「…昴様。川端とは高校時代の同級生なんですが、
 そのころ俺は毎日ツナサンドばかり食べてました。」

「そうそう、飽きもせず毎日な。」

正樹と武は、懐かしい思い出話に花を咲かせている。

学生時代仲が良かったものの、
卒業とともに正樹が家を飛び出して
それから音信不通になっていたのだ。

二人は、久しぶりの再会を心から楽しんだ。






ひとしきり会話を楽しんだ後、

「どう?少しは元気でたか?」

と昴が武につぶやいた。

「へ?」



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