御曹司の秘書さんの日常◆
「実は、日本に帰ってきてあのマンションで一人暮らしなんだけどーー」
はぁ。と昴がため息をつく。
「兄と父が、日替わりで女をよこすんだ。」
は?
武は目を丸くした。
「いい加減、うんざり。
あのマンションのセキュリティどうなってんだよ。
毎日、日替わりでどっかの令嬢が押しかけてきて
俺を律儀に誘惑してくるんだよ。
---いい加減、面倒だ。
しかも、最近は朝に布団にもぐりこんでくるんだぜ?」
「…美味しいシュチェーションでは?」
「冗談!コレで手を出したら、即。『政略結婚』だぜ?
朝から、傷つけないように断ったりするのってなかなか疲れる。」
昴は、ぐったりしたように来客用のソファーにドカッと座り込んだ。
武は用意してあったコーヒーを出す。
「だからーー。
明日、六時頃に俺のマンションに俺を起こしに来て欲しいんだ。」
「なぜ私が…」
「今夜からでも良いぜ?」
コーヒーを静かに持ち上げながら
昴がにやりと笑う。