御曹司の秘書さんの日常◆
「なっなにすんのよっ!!」
手でぱっと胸を隠そうとするが
武は、両腕をしっかり握りしめて、
そのまま、ベッドへと押しやる。
「…へぇ。結構いい体じゃん?」
思わず、敬語を忘れる。
彼女の目がおびえた。
このまま、押し倒せそうだけど、
こんな面倒な女は金をもらっても嫌だ。
すぐに『秘書の仮面』を付け直して、
「では、お嬢様?
服を着ていただきます。」
できるだけ優しく笑ってから、
武はその女性の手を解放した。
落ちている下着を目の前に差し出すとぱっとひったくられた。
…恥ずかしいなら、
裸で迫るとかやめときゃいいのに。
しかし、たぶん取引先の令嬢か、
どこかの財閥の令嬢だろう。
丁寧に扱うに越したことはない。
落ちているワンピースを
ゆっくりと彼女にわたして、
武は、後ろのファスナー閉めるのを手伝う。
そして、
スカートの軽くしわを払ってやり、
彼女に向かって、軽く頭を下げた。