御曹司の秘書さんの日常◆
「…昴様。彼女からの伝言です」
「ききたくなーいっ」
昴は、髪を拭きながらキッチンへと向かう。
「…昴様。彼女はまた来るそうです。」
「えぇぇ。しつこいな。あのバナナ女。」
武は、先ほどの彼女の黄色いワンピースを思い出して、
思わず ぷっ と吹き出した。
「だろ?なんだよ。あのバナナ色。
朝から、まぶしいよな?
なぁ、武。朝食まだだろ?たべるか?」
昴はそういいながら、
牛乳と、コーンフレークと、皿をどかっとカウンターに並べた。
「…昴様。まさかこれが朝食で?」
イメージと違う。
と武は思った。
御曹司やセレブの朝食は
こうじゃないだろ。
もう少し、ホテルのエレガントな朝食。みたいなのじゃないのか?
「え?ダメ?」
昴は、逆に驚いたように武を見つめた。