御曹司の秘書さんの日常◆
引継ぎ業務もそこそこに、
社内を見て回りたいという昴の要望に武は社内を案内し始めた。
そしたら
社内のかわいい子を見つけてはアプローチだ。
昴が花京院家の息子で
常務に就任したことは社内メールで通知されているが、
正式な紹介は明日になるため、
昴の顔を知ってる社員は少ないだろう。
そのため女の子も警戒せず
昴とおしゃべりを楽しんでる。
「らっきぃ。アドレスゲット。」
「…昴様。」
見境の無いことは止めてください。
と、武は心の中で思って昴の手に握られている名刺を奪い取った。
「昴様。社内見学がしたいとは…
女性社員と仲良くなることだったんですか?」
やれやれ。
そのまま武はスーツにしまう。
「んー。それはついで。」
昴はにやりと笑った。
「なぁ、武。昴って呼び捨てにすれば?
ついでにタメ口で話せば?
俺、まだ18の若造だろ?」
「・・・・・・・いえ。
昴様は上司ですので。」
「ふぅーん?
昴様って…お坊ちゃんみたいで嫌だな。」
坊ちゃんだろうが。
「…では、昴常務でよろしいですか?」
「嫌だ。」
ちっなんてわがままな。